2020年12月31日木曜日

第49回 「南国温泉地の水環境」 群馬大学 窪田恵一

 大学進学を期に関東へと進出し、今は群馬県に居を構えておりますがそれまでは鹿児島県霧島市にずっと住んでいました。いつの間にやら故郷を離れ10年以上経ってしまいましたが、リレーエッセイのネタとしてはちょうど良いだろうということで、故郷霧島市について水環境を中心に少し紹介したいと思います。霧島市は鹿児島県本土の中央、桜島の北側に位置する都市です。平成の大合併で非常に大きな市となってしまいましたが、その中でも隼人町というところが私の生まれ故郷です。霧島市は、天降川という川が市を縦断するように流れており、それに沿っていくつか温泉地が点在しています。その温泉地はそこそこ歴史があり、西郷隆盛が頻繁に湯治に訪れたり、坂本龍馬の新婚旅行に訪れたりしています。私が住んでいたところも温泉地であり、川底を少し掘ると温泉が湧き出ている場所が近所にありかなり身近に温泉がありました。また、幼少の頃皮膚炎にかかった時は、母親に連れられ近所の温泉へ湯治に行った思い出があります。また、温泉地で温泉も一部用水路に放流されることもあるため、用水路の水温が高く熱帯魚のグッピーなどが生息していると小学生の頃耳にしたことがあります。実際に生息している見たことはないのですが、温泉地ならではの話題だと思います。(写真: 天降川上流の写真)

 さて、もう一つ霧島市の水に関する特徴として、水道水の水源に湧水を使用していることです。霧島市の資料では、水道水源箇所の約半分が湧水となっており、残りのほとんどは深井戸となっています。水質も非常に良好なようであり、塩素消毒のみで提供されています。この周辺の地域は温泉も含めて水資源が豊富であり、霧島市の隣接する町の一つが湧水町と名付けられていることかもわかると思います。湧水を使ったそうめん流しが有名です。とりとめのない内容となってしまいましたが、改めて文章におこしてみると、実に良い水環境に囲まれていたのだなとつくづく思います。



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